『賢さをつくる 頭はよくなる。よくなりたければ。』を読んだ。
「思考とは抽象と具体の往復」とはじめはなんぞやと思いながら読み進めたが、新たな視点をくれて学ぶことが多かった。
抽象と具体は優越がある上下関係ではなく、抽象が右、具体が左として対等である。この右と左の移動がはやく、移動の回数が多く、距離が長いのが賢いという点を例をあげて説明してくれてとてもわかりやすかった。どちらかが良いということではなく、このバランスであると。
この説明を聞くとなんのこっちゃという感じだろう。会社の組織の例がわかりやすかった。
左はいわゆるプレイヤー。実務を担当する従業員。日々の業務に集中すればよい。真ん中は、それらをマネージする人で、かつ1ヶ月のスケジュールなどを組まなくてはいけない。右は、経営者で会社のビジョンや長期的な目標を決める必要がある。左に行けば行くほど具体的で右に行けば行くほど抽象的になる。
たとえば左の人が右の抽象的な視野を持って物事に取り組んだり、質問をしたりするだけで視野が広がる。右の人もビジョンだけや目標を語るだけでは、優秀だとは言えない。左のことを把握して理解することで、優秀な経営者であるというのど。
この本を読んでいて私はといえば、物事を抽象的に考えてしまう右による傾向があるから、左がわにいくように具体的に考えて説明や実行して行きたいなと新たな発見だった。
また、この思考を鍛えるためには、拍子抜けするが、5w1hが有効だということだった。その中のwhy(なぜ)だけが右を考える質問で、それ以外は全て左を考える質問となるそう。
私のように右に思考が行きがちな人はwhat, who, when,where, how(to or much)を質問して、左に行きがちな人はwhyを質問するのが有効だそう。
ちなみに「なぜ」は自分だけに質問すること。カウンセリングやコーチングで「なぜ」は禁断の質問とされている。との話も興味深かった。
これは例えば鬱でカウンセリングを受けている人には、Whyはかなりの負担がかかる質問で、whyを繰り返すと究極は自分はなんで生きているのかというところまで辿り着くからだそう。
物事を考える上でのヒントになる本で、非常におすすめである。
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